SSブログ

「新しいレゴモーターのしおり」 [資料など]

shiori-a.jpg
 古レゴ関係の日本語の印刷物として、カタログ以外にこんな物も手元にありましたのでご紹介します。スキャンデータは当方のホームページに公開していますのでご参照ください。→こちらです
これはおそらく1970年頃のものだと思われます。印刷はドイツ。日本語カタログもそうですが、デジタルフォントなんかない時代、ドイツで日本語の活字を組んでいたのかと思うと不思議な感じです。「モーターは正しい方向にしかはまりませんから、あなたがまちがって逆さまに置くことはないでしょう」なんて、文章がいかにも翻訳調でぎこちないのも面白いですね。
 さて「新しいレゴモーターのしおり」とありますが、あなたにとって何が新しいのでしょうか(こっちの文章までおかしくなってきた)。レゴのモーターは1966年に発売されていますが、この頃に改良型に移行したのに伴い、こんな説明書が作られた模様です。
motor-a.jpg
 上の写真の右が旧型、左が新型です。ご覧の通り、中央部の天地寸法が、ブリック4段分から、3段+3分の1段(薄板1枚)分へとスリムになっております。モーターに「床板」をセットして、その上にブリックをとりつければ、モーター上面と高さが揃う事になり、車体を作るにも好都合な寸法になったワケですね。
motor-b.jpg
 そして最大の変化はユーザーによるケースの分解が可能になった事。おそらく、12Vシステムの発売をにらみ、内部のモーター本体を交換する事で4.5Vから12Vへのグレードアップを可能にするため、設計変更されたのだと思われます。結局、日本では12V関連製品はほとんど流通しませんでしたから、あまり意味がありませんでしたが……。
 旧型ではケースの外側に「4.5V」と印字されているのが、新型では見られなくなり、代わりに上面の小さな窓から、内部のモーター本体に記された「4.5V」ならぬ「4V」の文字が識別できるようになっています。
motor-c.jpg
 また、「レゴの新しいモーターにはテレビやラジオの電波を邪魔しない装置がついているから」「家族の人達がテレビをみたり、ラジオをきいている時でも、レゴのモーターで遊べます」との事です。
なお、このしおりの写真ではモーターもバッテリーボックスも青ですが、これはまもなく黒に変わりました。機関車などのセットでは、旧型の時代から黒のものが使われていました。
 25センチ四方ぐらいの用紙の両面に、微に入り細に渡る丁寧な説明がビッシリ書かれている「新しいレゴモーターのしおり」。これを見て、ある種の熱気みたいなものを感じるのは当方だけでしょうか……。

#621 タンクローリー ほか [レゴランドシリーズ]

#621a.jpg
「レゴランド」シリーズは1970年代のレゴを語る上で欠かせない存在です。ズバリ1970年にスタートしたこのシリーズ、各種の建物と、ミニサイズの自動車を組み合わせた「街作り」遊びのための製品群でした。1970年の日本語版カタログでは「たのしいレゴの町」というリシーズ名称が記されていましたが、翌年からは「レゴランド」シリーズと銘打っています。
 レゴランドの自動車は従来の自動車シリーズとは異なる小型のもので、2×2ポッチのブリックに車軸と車輪、タイヤを固定したパーツを用いております(シングルタイヤとダブルタイヤがあるのが凝ったところ)。ちょうどトミカぐらいの感覚の大きさでしょうか。
 レゴランドシリーズ元年である1970年発売のモデルをいくつかお目にかけましょう。
#621b.jpg#621c.jpg
 #621タンクローリーは昔からの持ち物です。貝のマークが印刷されたパーツが1つ足りなかったので、後部はLEGOの文字入りパーツで代用しております。Peeronの該当ページはこちら
 レゴ社とシェル石油はなにか資本関係でもあったんでしょうか、この他にもガソリンスタンド、タンク貨車などシェルのロゴ入りの製品が各時代に存在します。石油製品であるプラスチックを使った良質の玩具……という事で、一種のタイアップだったのかも? 事実、当時のレゴの世界に登場する唯一の実在企業がシェルだったわけで、その宣伝効果は大きかったと思います。かくいう当方も小学校へ入る以前から「SHELL」は覚えましたモン。でもシェルはすでに日本石油と提携していた(多分)ので、町中でSHELLの文字を見る事はなく、それが残念だったぐらい。本当に変なレゴ小僧だったんです。
#602a.jpg#602b.jpg
 #602はオークション品に含まれていたもの。1970年版カタログには品番しか載っておらず、Peeron を見るとFire Truckとなっているのですが、そうかなァ〜。色は確かに消防車らしいですけど、ハシゴや警戒灯などの装備もないし、単なる赤いトラックのようにも思えるのですが……?
 ちなみに同時期には#347 消防署(記事はこちら)に含まれている3台の緊急車両も単品販売されており、その中にはレッキとした消防車があります。
#623b.jpg#623a.jpg
 #623はPeeron によればWhite car and Camperという名称。ヨーロッパではこういう小さなトレーラーを乗用車が引っ張ってバカンスに行くのが一般的なんでしょうか、同様の車が後によき大きいサイズの自動車シリーズでも発売されています。
 この製品はかつて持っていたわけでも、最近入手したわけでもなくて、Peeron掲載の組立説明書を見ながら、手持ちのパーツや他のセットからの流用パーツで組み立てたもの。この頃のレゴはセット物でも、さほど特殊なパーツを使っていませんから、こういう事もできるんです。
 レゴランドの自動車はおそらく、小遣い程度で買えるレゴというコンセプトがあったのではないかと推察します。ここからレゴの世界へ足を踏み入れたという、かつての子どもたちも多いのではないでしょうか。
 なお1971年にはレゴランドの自動車ラインナップはほぼ総入れ替えとなり、ここで紹介した3種も1年限りで姿を消してしまいました。このあたりにも、価格を抑えた分、どんどん買ってネ、という感じがしますね。

#156 シグナル [鉄道シリーズ]

156d.jpg
 いかにもヨーロピアンな味わいの腕木式信号機であります。例によってPeeronで調べますと、発売初年は1968年で、鉄道シリーズの初期に登場している事になります。
 この信号機はタダモノじゃありませんですよ。ただのアクセサリーではなく、ちゃんと列車を停めたり発車させたりできるんです。
 #156には信号機2基の他、付属品として4×2ポッチのブリックに納められたバネ入りスイッチと、配線用のコードが含まれています。このスイッチを、機関車のモーター部の下部に装着します。スイッチの上部にあるプラグがモーターのジャックに差し込まれる形で、しっかり結合されます。バッテリーボックスからのコードは、このスイッチにあるジャック孔に差し込みます。
156e.jpg156f.jpg
 さて信号機の方は、下部のレバーを操作する事で腕木が上下。同時に2本のレールの間にあるプレートの高さがわずかに変わり、腕木が下がった状態(停止現示)の時にプレートが上がります。機関車がこの上にさしかかると、モーター下部に取り付けたスイッチがプレートと接触してオフになり、列車は停まります。信号機のレバーを操作して腕木を上げると、プレートも降下してスイッチがオンになり、列車は再び走り出すという仕掛け。
156g.jpg156h.jpg
156i.jpg
 息子が遊んでいるプラレールにも似たような仕掛けがありますが、見ていると走っている機関車を下から持ち上げる仕組みで、停止中も車輪は空回り、モーターもウンウンいっております。その点、回路をオフにする仕組みのこのレゴの信号機は、スウッという感じで列車が停まったり走り出したりして、きわめて気持ちがよろしい。しかも動作は確実、スムーズ、そして静かなること林のごとし。40年前のオモチャですヨ。さすがですね〜!
 さて下の写真は最近、国内オークションサイトを介し譲っていただいた箱入りの#156です。お店で売っていたままの姿。覚えてますよ、このパッケージ。こんな物が残ってるなんてえぇえぇ……(号泣)。
156b.jpg156c.jpg

アメリカ版の基本セット [総合]

022&285a.jpg
 アメリカ版の基本セット2種をご覧にいれます。Peeronで確認しましたところ、#021#285ともに1966年の発売で、スーツケースで有名なサムソナイト社の発売。サムソナイトはアメリカでレゴブリックをライセンス製造していたそうです。ヘェ〜!
 当時の日本版カタログには0で始まる3ケタの品番の基本セットが各種掲載されていますが、これらのセットに該当するものは無いようです。それに片方は#021なのに、もう片方は#285で、品番の付け方がメチャクチャのような……。しかも#285の箱には「285ピース入り」の文字が。だから品番が285なのだとしたら、あまりにも安直なのではアリマセンカ。
 中身を確認すると、各ポッチに付いているLEGOの文字が、おなじみのものとは微妙に違うのですが、これはアメリカで製造されたレゴの特徴なのか、それとも単に製造時期による違いなのか、興味は尽きません。
 で、思い出したんですが、そういえば子どもの頃、家にあったレゴの中にもこの、字体の違ってるレゴが少しだけ混じっていて、変だなーと思った記憶が……。日本にもアメリカ製レゴが輸入されていた事がないとは限りませんね。
 箱に付いているLEGOのロゴには「Building Toy」の文字が添えられていますが、これはアメリカ版の特徴でしょう。ヨーロッパのものではここには筆記体でSystemと書かれており、日本で販売されていた製品も同様でした。
 これらのセットは古いのは間違いないし、その意味では貴重でもあるのでしょうが、さほど人気なワケでもなく、ずいぶん安い値段で手に入ります。当方は海外オークションを始めた頃に、練習の意味も兼ねて入札してみた次第。古いパーツの補充用にも使えます。新品同様のグレーのタイヤ(割と希少品)が入っているのはアリガタヤ……。早速、1960年代の自動車シリーズ復元に活用しました。
285a.jpg285b.jpg

1971年版カタログ [資料など]

cat1971.jpg
 1971年の日本語版カタログのスキャンデータを当方のホームページにアップしました。→こちらです
 このカタログは冊子ではなく、縦に長い1枚のチラシタイプで、これを8つに折り畳むと一番上が表紙になります。一度にスキャンできなくて苦労しました……。Peeronにはこれと同じもののベルギー版の他、まったく別のイギリス向け1971年版カタログ(これは冊子タイプ)が掲載されています。
 さて1971年版の日本語カタログの内容は……。「レゴランド」シリーズに新製品が大量に加わって大発展、名称も1970年のカタログでは「たのしいレゴの町」と称していたのが、このカタログでは「レゴランド」の名が使われはじめました。自動車シリーズは軒並み新製品に移行、「新しくモデルチェンジしました!!」とあり、名称はレゴ・カーシリーズとなっています。また「女の子の為に二つのセットが生まれました!!」というコピーの下、新製品の「リビングルームセット」「キッチンセット」が掲載されています。これは後年のホームメーカーシリーズの先祖という事になるのでしょうか(まだフィギュアは登場していません)。
 12Vシステムの鉄道シリーズも引き続き掲載されていますが、1970年版カタログでは価格も掲載されていたトランス(パワーパック)が、電動ポイントとともに「日本では未発売です」とあり、国内流通の雲行きが怪しくなってきた感じが……。事実、これを最後に12Vシステムは日本のカタログから姿を消してしまうのです。

#338 救急車/#337 ローリー車とクレーン車 [自動車シリーズ]

338a.jpg338b.jpg
 #338 救急車は1970年発売、翌年にはレゴの自動車シリーズは全面モデルチェンジして、救急車もフロントグリルなどを変更した#373 が改めて発売されましたから、#338は1年だけの発売だった事になります。移行期の製品らしく、タイヤは最初から黒、車輪もスポーク付ですが、多数の薄板パーツや1ポッチの窓パーツで構成したフロントはクラシックな印象。手持ちの古レゴの箱からパーツを集めて復元しました。ドアのパーツは透明パーツに塗装してある物で、傷が目立ちますね……。
 #337も同時期の製品で、こちらは国内オークションにて入手。自動車シリーズはじまって以来の大物。……なのですが、残念ながら主要なパーツに破損があって、組み立てた姿をお目にかけられません。いずれBricklink でパーツを補充しよると思っていますが、とりあえず、ご参考までに箱の写真をアップいたします。
337a.jpg337b.jpg

#158 踏切 [鉄道シリーズ]

158a.jpg
 Peeronによれば発売初年は1969年。その前年に発売された#119「総合汽車セット」(記事はこちら)に含まれていた物を独立させた形で発売。車両のように目立たないものの、レゴ鉄道シリーズの定番アイテムとして1975年までカタログに掲載されていました。その後まもなく、警手の人形や小屋などが付属した#146にグレードアップしましたが、踏切自体はそのまま引き継がれていたようですから、息の長い製品といえましょう。
 当方にとっても懐かしい品物で、日本では踏切といえば黄色と黒と決まっているのに、赤と白に塗り分けられた遮断機がとてもシャレて見えたもんです。子ども心にヨーロッパの香りを感じたんですな。いやホント。
 ちなみに日本での商品名は、1968年のカタログでは「斜断機」(遮断機ではありませんゾ)、1970年のカタログからは「フミキリセット」「踏切セット」となっています。
158b.jpg
 下の写真は、発売時期によるプレートの違いを示します。左は発売当初の物。右は1970年以後の物で、この頃に登場した12Vシステムに対応するため、中央部に給電レールを取り付けるための溝が新設されています。
158c.jpg
 最近、国内オークションにて箱入りの#158を2種、譲り受けましたのでご覧にいれます。パッケージは1973年頃に変わったようです。裏面の写真は一見、同じにみえますが、上記のモデルチェンジが反映されています。
 こんな状態の物が残っておるなんて、どこかのお店のデッドストックか何かだったんでしょうか?
158d.jpg158e.jpg
158f.jpg

#336 消防車 [自動車シリーズ]

336b.jpg336a.jpg
 Peeron によれば発売初年は1968年、前年に発売された#335まではタイヤがグレーなのに対し、この#336は最初から黒のタイヤが付いています。
国内のオークションサイトを通じて譲っていただいたもので、元箱付き、とてもキレイな品物で感激! よくぞ残っていてくれました。
336d.jpg336c.jpg
 ふと思いついて、息子の持ち物である#7239:シティシリーズの「消防車」を借りてツーショットを撮影。こちらの発売は2005年ですから、#336からは37年の歳月が流れている事になります。例によってバラバラになっていたのを改めて組み立てましたが、いや同じレゴでもその緻密さには驚くばかり。レゴの進化に思いを馳せた次第でありました。
336e.jpg

#332 クレーン車 [自動車シリーズ]

332c.jpg
 クレーン車というよりは、レッカー車といった方がしっくりきそうです。Peeron によれば英語の商品名はTow Truckで、発売初年は1967年。これも当方にとっては懐かしい品物で、手元の古レゴの箱をひっかきまわしましたら、さいわい部品が揃ったので復元した次第です。ただし、タイヤが2個足りなかったので、他から補充しました。後ろがオリジナルのタイヤで、ご覧の通りボロボロになっています。
332b.jpg
 もうひとつ、ウィンチには糸がからまってしまっていたので除去、新しい糸と交換。元の糸の切れ端を持って地元の手芸店へ行き「できるだけこれに近い糸を」と申しますと、フランス製の刺繍糸が出てきました。ちょっと太い感じなので何本か間引きして、よじり直して使っています。
string2.jpgstring1.jpg
なお当ブログでは手持ちの古いレゴを、だいたい時系列に沿ってご紹介しようと思っています。「1970年代のレゴを……」と銘打っていながら、これまでのところ1960年代の物ばかり登場していますね。これからだんだん時代が下ってまいります。

本の紹介 レゴブリックの50年 [資料など]

50yaers1.jpg
 2008年はレゴ誕生50周年の年だったそうで、記念出版物がいくつか発売されました。この本もそのひとつで、原題は50years of The LEGO Brick。アマゾンで購入しました。レゴの歴史がグラフィカルに紹介されています。そして、昔のカタログ類の復刻版が数種類、付属しているのが売りになっています。
 その付録とは……
 ・1958年のレゴの特許証明書レプリカ
 ・1959年のドイツ語版カタログ
 ・1963年の販売店向けカタログ
 ・各国語併記パンフレット(年代不詳)
 ・1960年代中期のドイツ後版カタログ
 ・1969年の英語版(イギリス向け)カタログ
 ・1974年の英語版(イギリス向け)カタログ
 ・1976年の英語版(イギリス向け)カタログ
 ・1979年の英語版(イギリス向け)『テクニック』カタログ
 ・50周年記念ステッカー
……となっております。
50years3.jpg
 古いカタログ復刻版は、印刷物のスキャンで入稿データを用意したものもあるようで、文字や画像が多少、ぼやけている場合があるのが残念ですが、贅沢は言いますまい。これらの付録は、本のページをめくると要所要所で現れるポケットに納められています。このポケットは、レゴブリックのポッチを思わせる丸穴が並んだデザインの楽しい造り。6つのブロックが納められたカバーとともに、レゴファンのハートをくすぐる心憎い書物になっています。
 なお当方が購入したのは英語版で、別にドイツ語版もあります。まさか、英語版とドイツ語版で、付録の内容が違うって事はないよね……? 不安になってきたゾ。
50years2.jpg

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。