SSブログ

宣伝用冊子「Let's Play with Lego 1971-72」 [資料など]

LPL1971c.jpg

 あまりレアだとか希少品だとか騒ぐのは好きではないのですが、でもこれは、本当に希少品かも? 1970年代初頭に発行されたらしきA4判・60ページに及ぶ堂々たるレゴ遊びの冊子です。オークションサイトを通じイギリスの個人から譲り受けました。内容は英文です。
↓表紙を開くと、案内役であるMr. and Mrs. Stud(スタッドとはレゴの〝ポッチ〟の事ですね)からのメッセージが……。
LPL1971b.jpg

 この冊子は本当に謎の存在なんです。
 Peeron などのデータベースサイトでは、レゴの各国版カタログや各製品の組み立て説明書、アイデアブックと呼ばれる歴代の作品集などの膨大なスキャンデータが収録されています。ところがこの冊子は、ずいぶん探しましたが見つからない。カタログや説明書とは違うし、強いて言えばアイデアブックに近い物なのですが、商品であるアイデアブックには品番が付けられているのに、この冊子には品番がありません。という事は、カタログと同じように店頭で配布された販促物なのかとも思いますが、こんな豪華なものを無料で配るでしょうか? 
 実際、この冊子の裏表紙には鉛筆で15pと小さく描かれており、たぶん15ペンスで売られていたものと思われます。つまり「品番のない商品」という、レゴの歴史上おそらく非常に珍しい物になってしまい、そのために存在が把握しづらくなったのではないかと推察されるわけです。

↓テーマパーク・本家レゴランドの紹介ページ。当時はデンマークにしかなかったんですね。
LPL1971h.jpg

↓自動車シリーズ、レゴランドシリーズの紹介ページ。
LPL1971e.jpg
LPL1971d.jpg
 話はこれで終わりません。実はこの冊子の日本語版を、当方は子どもの頃に持っていたのです。これまた謎めいた話なのであります。
 たぶん東京の池袋だったと思いますが、レゴのカタログが欲しくてデパートへ出かけていったんですね。店員さんにたずねると、カタログは切らしているとの事。がっかりしていると、その店員さんは「こういう物があるけど」と言いながら、売り場の奥から問題の冊子を出してきてくれたのでした。無料との事でしたが、ただし表紙、裏表紙の無い状態でした。
 当方は書店勤めの経験があって、その際に見聞きしたのですが、洋雑誌などは返品する時、表紙だけを切り取って送り返すシステムをとっていました(今もそうかな?)。雑誌そのものを送り返すと送料が高くつくので、売れ残った証拠として表紙だけを返送し、中身は廃棄処分とするワケです。当方がもらった冊子も、もともとは売り物で、表紙をはずして返品処理したものを、特別にくれたのかもしれません。もちろん、もともと無料配布物だった可能性もあります。今となっては確かめようもない……。
 この冊子はずいぶん眺めて楽しんだものでしたが、ご他聞にもれずいつのまにかどこかへいってしまいました。で、後年、PeeronやらBricklinkで調べても、該当するものの痕跡さえ見つからない……。これには首をひねりました。他のアイデアブックなどはどれも、ちゃんとデータが収録されているのに……。
 当方にとってはまさしく幻となってしまったわけですが、最近になって、その英語版とおぼしき品物がオークションサイトに出品されているのを発見、ぶっちぎりの高値(といっても多寡が知れていますが)で入札してかっさらいました。いやもう、感涙ものでした。あれは幻じゃなかったんだ……という想いに浸りながらページを繰りました。前述のような事情で表紙もはじめて見るわけで、40年越しのミステリが解決した気分でした。

↓オリジナルの作品ページも充実。これは船舶のページ。
LPL1971a.jpg

 ところが! 記憶にある日本語版とこの英語版との間には大きな違いがある事を発見。日本語版には終わりの方にかなりのページを割いて「12V鉄道シリーズ」が紹介されていたのですが、英語版では割愛されています。イギリスでは日本と同様に、12V製品群が流通しなかった事は知っていましたが、その決定のタイミングは日本よりやや早かったらしき事がわかります(日本では1971年カタログに12V製品が掲載されている)。
 考えを進めると、もしかすると12Vシステムを大々的に掲載している事が仇になって、この冊子が流通しなかった可能性もあるかもしれません。日本では結局12V製品は流通しませんでしたから、こんな冊子が出回っては混乱したでしょうし。

↓ご覧のように4.5V鉄道シリーズはコッテリ紹介されています。
LPL1971f.jpgLPL1971g.jpg

 それはさておき、件の日本語版冊子には、12V鉄道シリーズの広大なレイアウトや、迫力ある走行シーンなどの写真が掲載されてた記憶があり(「これはすごい! 本物の鉄道模型だ」っていうキャッチコピーも覚えてます)、もう1度見たいと思うのでありました。
 その日本語版冊子が入手できればベストでしょうが、これは、それこそコレクターズアイテムで、おそらくは1冊も残ってはいないのではないでしょうか。あとは……、12V鉄道シリーズが流通していたドイツやフランス向けに、この冊子が作られていれば、それを手に入れる事ができるかもしれない……。
 ちなみにこの英語版冊子にはGB(グレートブリテン)の文字があり、イギリス市場向けである事がわかります。ということは、ドイツ版やフランス版もあるはずでは……? とにかく、日本語版の元になったバージョンが必ずあるはずですから、気長に探すことにいたしましょう。
 ああ、オールドレゴ探求の道は遠い……。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。